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ファッショナブルお洒落Webマガジン・世界へ進出する日本

 BY F.CHUUDOKU



世界へ進出する日本ファッション

                                                        
■香港で人気のある日本ブランド■漫画キャラクターとファッションを輸出する日本
■日本のストリート系ブランドのブーム■裏原宿独立系ブランド■欧米に並んだ日本ファッション




■日本人デザイナーの欧米デビュー
  日本人デザイナーが最初に海外でファッションショーを開いたのは、1960年パリでの中村乃武
夫だった。65年には森英恵がニューヨークで、70年代初期には三宅一生、山本寛斎、高田ケン
ゾーの三人がパリコレにデビューした。80年代に入ると、山本耀司、川久保玲が、パリのプレタポ
ルテ・コレクションに参加した。その頃にニューヨークの一流店がワイズやコムデ・ギャルソンの売
場を新設した。

 洋服の歴史がたかだか五十年程度しかない日本のブランドが、欧米の注目を集めるようになっ
たのは、そうしたデザイナーたちの実績によるところが大きい。野球ならイチロー、サッカーなら中
村の本場デビューと似ている。欧米にとって、それまでの日本市場は、ブランド名を貸すだけで商
売になった発展途上国だったのだ。

 ところが時代が変わって、パリ、ミラノ、ロンドン、ニューヨーク、東京のコレクションの日本人デザ
イナーのデザインが、次の時代を左右していくようになった。日本人デザイナーの才能が高く評価
され、世界のファッション界の一角を担うようになった。その一方で日本のアパレル業界全体の地
位は、相変わらず低いままだ。日本のデザイナーがこれだけ活躍しているのだから、日本製のア
パレル製品が欧米で評価され、歓迎されてもいいはずなのに。

  輸出立国の日本が何故アパレル製品だけは輸出できないのだろう。これだけ優秀なデザイナー
が育ち、高い評価を得ているというのに。





香港で人気のある日本ブランド
 ヒステリックグラマー、エヴィスジーンズ、ドゥニームなどが、ロンドンへ進出してブレークしている
らしい。ロンドンでは、キャラクターやストリート系のメンズブランドが成功した。香港や韓国や台湾
では、ヤングのレディースやDC系のブランドがブレークしつつある。

 香港のセレクトショップで人気があるのは、ツモリ・チサト、アバハウス、パドカレ、プゥドゥドゥ、ト
ゥーアクーなどで、現地の専門店とフランチャイズチェーン店契約を結んで出店している。そうした
日本ブランドだけを集めた大型セレクトショップもオープンした。

 台湾では台北市内のショッピングセンター・ワールドジョイスに、「ユージ・ヤマダ」や「ゴム」など
の若手から中堅のデザイナーブランドを集めたセレクトショップがある。そこでも「ツモリ・チサト」
を扱うようになった。日本ブランドのブームは日増しに大きくなりつつある。

 そうしたブームの背景には、ファッションリーダー的な日本人ミュージシャンの大きな力がある。
安室奈美江から始まって、浜崎あゆみ、倖田來美などが、香港、韓国、台湾などで絶大な人気を
得ている。昔の日本の若者が、欧米のミュージシャンの影響を受けたのと、まったく同じ現象が起
きているのだ。




漫画キャラクターとファッションを輸出する日本
  ヨーロッパではロンドン、アジアでは香港、台湾で、裏原宿系ブランドやエヴィス・ジーンズ等がブレークしている。ハローキティーなどのキャラクター・グッズもファッションアイテムとして人気がある。価格は日本の1.2倍から1.5倍で売られている。西洋人に合った大きいサイズが無いのが、課題になっているらしいが。

 ヒステリック・グラマーやドゥ二ームなどは、ニューヨークやロサンゼルスにも販路を拡大している。日本のブランドが゛、世界にオリジナリティーを認められたのである。「かわいい」という日本語と一緒に、日本のファッションが世界へ進出し始めたのだ。韓国ではストリート系ではなく、DC系のブランドに人気があるらしい。

 そうした情報を耳にすると、日本人としては素直にうれしい気分になる。だからと言って、過大評価をしてはいけない。食べ物で言えば、主食じゃなくて副食が若年層に受け入れられただけのことである。ファッションそのものより、漫画のキャラクターの人気が先行しているような気がする。セーラームーンのコスプレの白人女性が少なからずいるらしい。そうしたキャラクター人気の下地があることは間違いない。

 渋谷109系ブランドが、日本のファッション業界に活力を与えてくれた。その火付け役となったのは、ルーズソックスをはく女子高生たちである。そんな彼女たちの、かわいさとセクシーさをミックスさせたファッションが、外国に飛び火したのである。



日本のストリート系ブランドのブーム
  「世界のストリート・ファッションの首都は東京である」と、インターナショナル・ヘラルド・トリビ
ューン紙が2000年に書いたことがある。そのことがクリスチャン・ディオールのデザイナーに
も少なからず影響を与えた。ルイ・ヴィトンは2003年に村上隆の漫画チックなデザインを春夏
のコレクションに取り入れた。村上のマジック・マッシュルームは、ルシアン・ぺラフィネのカシミ
アセーターのモチーフとしても使われた。

  そして2004年には、マンガのキャラクターが、最も新しいファッションのテイストとなって世界
を席捲したのだ。世界のファッションの中心地のパリが、日本の大衆文化を受け入れたのであ
る。同時に、KAWAIIという言葉が、世界にインパクトを与えてインターナショナルな形容詞にな
った。

 パンクやヒップホップの出発点が反体制だったのに対して、マンガ・ファッションにはそうした
重苦しいものがない。幼児的な「かわいい」というシンプルなテイストがあるだけだ。子供っぽく
て実に単純な感情を表現しただけのものを世界も受け入れたのである。幼児性、わかりやす
さ、奇異で猥雑なものが入り混じったマンガとファッションが、このまま世界中に浸透していっ
て、パンクやヒップホップのようになるのかどうか注目したいと思う。

 最初98年頃から、ハローキティー、鉄腕アトム、ドラえもんなどのキャラクターがファッションア
イテムとしてロンドンでブレーク。それに便乗するかかのように、エヴィスジーンズやドゥニーム
などのジーンズメーカー、裏原宿系のグッドナイフやエイブ、ポーターなどが人気を集めた。そ
れ以外にも、アバハウス、マサキ・マツシマ、ファイナル・ホーム、アトウ、ポーター、オルソ、ヨ
ウイチ・ナガサワなどがロンドンでも手に入る。日本のストリート・ブランドのブームが起きつつ
あるのは間違いない。



裏原宿独立系ブランド
 裏原宿のインディーズ・ブランドのように、ストリート系やクラブ系の客層をターゲットにした独
立ブランドが最近注目を集めている。ほとんど全部のデザイナーが、アパレル・メーカーに就
職して服つくりの基本を学んでいる。規模の小さいインディーズ・ブランドでは、生地や付属品
などの調達先や、縫製などの加工場の管理もしなければならない。

 メーカー勤務のデザイナーの場合は、アイデアをデザイン画に起こして、パタンナーや工場に
指示を出すだけでいい。しかし、独立ブランドのデザイナーは、その他のいろんな仕事を一人
でやらなければならない。その中でも難しいのが、資金繰りである。商品が売れても売れなく
ても、生地屋や縫製屋には決まった日に支払いをしなければならない。どんなに才能があって
も、資金繰りの難しさにKOされてしまうデザイナーが多い。支払いが出来なくなると、会社は
倒産ということになる。

  デザイナーとしての才能も重要であるが、それと同じくらい資金力も必要になってくる。資金
集めをしっかりとしてから、独立をしないことには、せっかくのセンスも才能もパアになってしま
う。成功してしまえば、かなりの収入が期待できるが、それまでの苦労は半端じゃない。

 開店前に客が店頭に並んでいる店がある。そのくらい売れて、やっと採算が取れるのだ。そ
うした状態が一年以上続けば、なんとか安定期に入るのである。客というのは気まぐれで、い
つまでも同じブランドを追いかけてくれない。売れる時に集中的に販路を拡大すれば、昔のボ
ートハウスのようにビッグネームになることだってある。




欧米に並んだ日本のファッション
 欧米の有名ブランドが日本のマーケットに進出した理由の一つに、日本のファッション・レベ
ルの高さがある。高校生が高級ブランドを身につけるといった、度を過ぎたブランド志向に対
する批判もあるけれど、ファッション・センスの高さを欧米は認知したのである。
 
 欧米のブランドが日本に直接進出するようになったのは、80年代の後半からであった。それ
以前は、輸入代理店をつくり、そこを経由して輸出してきた。ジャパン社と呼ばれる外資系の
会社を日本に設立することによって、一気に収益性が高くなったことで、ジャパン社はあっとい
う間に100社を越えてしまった。

 欧米に認められた日本のファッションは、やがてアジア諸国でも評価されるようになった。最
初はアニメや音楽に限られていたが、日本のヤング・ファッションのレベルの高さにも注目が
集まった。トレンドに敏感で、過激な日本のヤングファッションが、アジアのファッション界で賞
賛の声を浴びるのに時間はかからなかった。日本のアパレルメーカーの生産加工の拠点がア
ジアに移り、アジアのファッション業界が日本のトレンド商品を目の当たりにするようにうなった
所為もあるのかもしれない。アジアだけで年間一兆円の生産加工料を払っているのだから。

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