「世界のストリート・ファッションの首都は東京である」と、インターナショナル・ヘラルド・トリビ
ューン紙が2000年に書いたことがある。そのことがクリスチャン・ディオールのデザイナーに
も少なからず影響を与えた。ルイ・ヴィトンは2003年に村上隆の漫画チックなデザインを春夏
のコレクションに取り入れた。村上のマジック・マッシュルームは、ルシアン・ぺラフィネのカシミ
アセーターのモチーフとしても使われた。
そして2004年には、マンガのキャラクターが、最も新しいファッションのテイストとなって世界
を席捲したのだ。世界のファッションの中心地のパリが、日本の大衆文化を受け入れたのであ
る。同時に、KAWAIIという言葉が、世界にインパクトを与えてインターナショナルな形容詞にな
った。
パンクやヒップホップの出発点が反体制だったのに対して、マンガ・ファッションにはそうした
重苦しいものがない。幼児的な「かわいい」というシンプルなテイストがあるだけだ。子供っぽく
て実に単純な感情を表現しただけのものを世界も受け入れたのである。幼児性、わかりやす
さ、奇異で猥雑なものが入り混じったマンガとファッションが、このまま世界中に浸透していっ
て、パンクやヒップホップのようになるのかどうか注目したいと思う。
最初98年頃から、ハローキティー、鉄腕アトム、ドラえもんなどのキャラクターがファッションア
イテムとしてロンドンでブレーク。それに便乗するかかのように、エヴィスジーンズやドゥニーム
などのジーンズメーカー、裏原宿系のグッドナイフやエイブ、ポーターなどが人気を集めた。そ
れ以外にも、アバハウス、マサキ・マツシマ、ファイナル・ホーム、アトウ、ポーター、オルソ、ヨ
ウイチ・ナガサワなどがロンドンでも手に入る。日本のストリート・ブランドのブームが起きつつ
あるのは間違いない。
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