■渋谷・アニメ・コスプレの日本 ■不景気とファッション ■アメトラブームの立役者トム・ブラウン ■アイビーとロカビリー・ファッションの接点 ■プレッピーとアイビーの違いは何? ■パンツの丈が短くなったアメトラ・チノーズの復活 ■パパラッチとセレブたち
華やかなファッション業界だけど、給料はけっして高くない。大手の三十代の中堅クラスでも、年収は六百万円弱だ。
中小の企業となると、賃金はかなり低くなる。デザイナーの場合は、大手でも年収四百万円程度にしかならない。デザ イナーの大半が契約社員なので、本社員に比べて賃金は低くなってしまう。 アパレル会社に勤める唯一の特典は、自社製品の社内販売だろう。社員であれば家族も含めて会社の製品を、売
値の半額以下で買える。中小の会社なら、自分の立場を悪用し、返品などの在庫を、好き勝手に手に入れられる。売 れ残った服は、最後には焼き捨てられることになるので、会社の管理も厳しくない。それを手に入れてバッタ屋や地方 の小売店に売りさばくのだ。 アパレル業界の労働条件は厳しい。とにかく残業が多い。特にデザイナーやパタンナーは、季節物を扱うために、ピ
ーク時は深夜の二時頃まで残業させられる。昼夜が逆転する時期が年に何度かある。時間にルーズなのが、アパレル 業界の最大の欠点だといえる。営業の人間の場合は、自社商品を販売している店に、販売応援にかり出される。会社 の仕事だけじゃなく、店で販売の手伝いもさせられるのだ。 販売の応援に関しては、派遣会社に依頼することが多くなった。しかし、企画の場合はは自分達でやるしかない。ピ
ーク時のデザイナーやパタンナーは、想像を絶する忙しさの中で、もくもくと自分たちの仕事をこなしている。営業にして も企画にしても、大半が二十代と三十代で、とても定年まで続けられる仕事じゃない。 デザイナー・トムブラウンの成功によって、一気にNYファッションが活気づいた。そしてアメリカン・トラッドが世界的な
ムーブメントとなった。長い間、ヨーロピアンが主流だったメンズ・ファッション界に、やっとのことでアメトラブームが到来 したのだ。現在のNYでは、トムに続く新しいデザイナーが次々と出現している。そうした実力を備えた若手の台頭によ って、アメトラ人気が本格的にブレークし始めた。 日本でも最近になって新しいアメトラが定着した。メンズだけじゃなく、レディースにもアメトラやプレッピーのアイテム
が見られるようになった。日本で古いアメトラが流行したのは60年代後半のことになる。東京の青山にあったVANとい う日本のブランドが、ブームを引き起こした立役者だった。当時はアメトラじゃなくて、トラディショナルとかトラッドと呼ば れていたのだ。 70年代になると、日本では新しいトラッドという意味の「ニュートラ」がブームになった。呼び名は「ニュートラ」でも、そ
れまでのトラッドとはまったく違ったスタイルだった。ゴルフ・ウェアーみたいなスラックス・パンツとポロシャツのコーディネ ―トだったのだ。どうして「ニュートラ」という名前になったのか、理由は不明である。80年代にヨーロピアンが主流にな るまでの、一時的な橋渡しみたいな役割をして、すぐに「ニュートラ」は消えてしまった。どちらかと言えばオヤジっぽい ファッションなので、若い人には受け入れられなかったのだ。 着心地がいいだけの西海岸発のアメカジに飽き飽きしていたニューヨーカーたち。そうしたニーズに後押しされて出現
したのが、トムブラウンだった。過激なまでに体にフィットするジャケットや裾の短いスリムなズボン。それはスーツを普 段着として着ていた50年代後半の男たちの服そのものだった。それにヨーロピアンなものと今風なデザインを付け加 えて、彼は新しいアメトラを完成させたのである。 そうしたアメトラの服が、次から次へと日本の市場にも出回り始めた。そんな中で特に注目しているのは、新しいタイ
プのポロシャツである。古いタイプのポロシャツとは、まったく違ったシルエットとデザインのものが販売されている。ポロ シャツと言えば堅苦しくて保守的なアイテムだったが、新しいものには驚くほどの自由さと遊び心がある。どっちにして も、アメトラの復活は大歓迎。二三年前までは時代遅れだったスリッポンやデッキシューズやローファーの靴が、トレン ドなアイテムに変わってくれたのだから。本当に捨てずに残しておいて良かったと思う。 たくさん服を持っている人間がオシャレなんじゃない。自分に似合う服をどれだけ持っているかの方が、重要なんだと思う。好きな服が少ししかな
ければ、持っている服も少なくなる。本当に好きな服って、そうは多くないと思う。特にメンズの場合、アイテムや色数が少ないので、気に入った服 を見つけるのは難しい。 若い人の場合は、気に入った服を衝動買いして、服を無理やり自分に合わせることが出来る。人間としての個性やキャラクターが出来上がって
いないからだ。ファッションが目立てばそれでいいのだ。ファッションをガラリと替えてしまえば、人間性やイメージも全然違って見える。その時の気 分で、好き勝手にオシャレが出来るのが、若さの特権だ。 二十代も後半になってくると、かなり個性やキャラが確立されてくる。そうなってくると、自分に似合う服も限定されてくるし、自分の好みや好きな
ブランドも限られてくる。悪く言えばパターン化してしまうのだ。服を買いに行っても、好みでない服やブランドは最初から目に入らなくなる。自分に 似合う服とそうでない服が頭にインプットされているからである。 自分の好きな服が、必ずしも似合う服ということにはならない。それがオシャレの難しさだ。自分を客観視できない人間ほど、そうした傾向が強
い。まずは自分のことを知り尽くして、それからオシャレをしてほしい。例えば僕の場合なら、自分が阿部寛や石井竜也だったら、こんな格好をする のに・・・と思うことがある。しかし、現実はそうじゃない。自分の顔や体型を知っているから、それに合った服を着るしかない。平凡な中年の男に似 合う服でオシャレな服となると、本当に限られてくる。それでもオシャレは楽しいものだ。数少ない服の中から自分に似合ったものを見つけた時は、 少年みたいに心が弾む。昔、買いたての服を枕元に置いて寝た時のように。 ファッションは楽しくてエキサイティングなものであるが、その半面で難しくてやっかいなものでもある。ごく普通の人間が、タレント等の特殊な人
間の真似をして、ハイファッションを取り入れたらどうなるか。周囲の人間からキワモノ扱いされるのがオチである。テレビに出演している連中のファ ッションは、仕事の衣装であって普段着じゃない。たいていの場合、スタイリストが服を選んでいる。センスが良いのは当然のことで、テレビの中だ からこそカッコウよく見えるのである。 多くの一般人のお洒落に対する意識というものは、自分らしいと思える範囲で目立ちたいのである。けっして変人とは思われたくない。お洒落と
変人は紙一重ということを常に意識しているはずだ。社会的に受け入れられる程度にお洒落をしたいのである。社会の常識を理解している人間ほ ど、その傾向は強くなる。 そうした連中の望んでいるファッションは、ファッショナブルだけれど、誰でも着られる服なのである。お洒落に見えると同時に、安心感もほしいの
だ。周囲から馬鹿にされない程度にファッショナブルでいたいと思っている。やり過ぎない程度にトレンドを取り入れたいのだ。しかし自分のファッシ ョン・センスを思い切りアピールしたい、という気持ちが根底にあるのも事実に違いない。 そんな連中にとってありがたいのは、GAPやH&Mといった量販店ブランドの服である。周囲から馬鹿にされない程度にお洒落な服が豊富に揃
っているからだ。そうしたブランドの服でコーディネートすれば、絶対に失敗することはない。センスのいい着こなしをすれば、すごくファッショナブル に見えることもある。H&Mの一号店のオープンに大勢の客が押し寄せたのは、手頃な値段ということだけじゃなく、失敗の無いお洒落ができると いった安心感があったからじゃないだろうか。 サンフランシスコに住むドナルドとドリスのフィッシャー夫妻が1969年に創立したGAP。初めは小さい店だったが、やがてバナナ・リパブリック、
オールド・ネイビーといったブランドを抱える世界最大のアパレル小売会社になった。今では世界中にチェーン店が存在している。パリにもイギリス にも日本にも。ニューヨークには35店舗もあるらしい。 GAPの服のセールスポイントは、デザインがさりげなくてGAPと気付かれない点だと思う。日本人には高級感を抱かせるGAPだけれど、本場の
アメリカでは大衆的なイメージがあるらしい。ファーストフードのマクドナルド的な存在なのだ。世界中のどの店でも同じ服を買うことができるし、価 格もお手頃である。 そんなGAPと東西の横綱争いをしているのが、先日東京にオープンしたH&Mだろう。没個性の標準化したオフィス向きのスーツ、ドレス、ブラウ
ス、スラックス、フード付きパーカー、鋲付きベルト等をお手頃価格で販売している。GAPとは同じアイテムこそないものの、手頃で豊富な品揃えと いった点は本質的に似ている。どちらの店でも1万数千円の買い物で、ファッションに対する日頃の要求不満を瞬時に癒してくれるのだ。 世界的な知名度のあるエビスジーンズの偽物が、韓国のショップで堂々と販売されているらしい。買っていく客たちは、日本製の本物だと信じ込
んでいるそうだ。値段は本物の半額で、カモメのワンポイント、OSAKAの文字もそのまま使用している。 先方の言い分は、「カモメのデザインは偶然の一致で、恵比寿様の顔は韓国にも似た物がある」とのことだ。単なる逃げ口上でしかない。明らか
にエビス・ジーンズのコピー品だ。韓国の購買者がエビス・ジーンズと思って買っているのだから、弁解の余地は無い。エビスジーンズ側は裁判沙 汰にすることを決定した。 そうしたトラブルの顛末をテレビの報道番組で知った。日本でもジーンズマニアには知られているが、一般的にはまだまだ知名度の低いエビス・
ジーンズ。それのコピー品が韓国で売れている。なんか変な感じがした。あくまで第三者の立場で無責任なことを言わせて貰えば、今回の騒動は 日本国内での知名度と人気を高めることになったんじゃないだろうか。ニュース番組がエビス・ジーンズの宣伝をしてくれたようなものだ。そうした 効果は計り知れないはず。さらに知名度と人気を獲得して、もっとビッグなブランドになってほしいと思った。 先日のNHKの番組で、浅草の安ホテルに滞在する若い外国人観光客のことを取り上げていた。二十歳前後から三十前後の白人客が中心で、
彼らのユニークな観光目的にスポットをあてていた。彼らの渡航目的は、以前のような富士山や京都じゃなくて、渋谷やアイドルショップといったも のなのである。 大半が大なり小なり日本製アニメやドラマの影響を受けている。昔の日本人が米国製のディズニーのアニメに影響を受けたみたいに。アニメだけ
じゃなく、日本人のアイドルたちも大人気だ。日本人アイドル好きのオランダのギャルたちが、嬉々として渋谷のアイドルショップに出かけるのだか ら。買い物した後は、小栗旬のドラマの舞台になった場所へ行って記念写真を撮っていた。そうした情報は日本のネットサイトから仕入れるらしい。 デンマークのギャルたちは、大好きなアニメの手作りコスプレを持参していた。そしてアニメに関する商品を買い物して、最後はカラオケBOXでア
ニメの主題歌を歌っていた。日本語はしゃべれないが、歌詞を全部暗記していて、最後まで見事に歌いこなした。本当に日本のアニメが好きなの である。 日本のマンガとアニメに世界の若者が熱中していることは知っていたが、ここまで夢中になっているとは思いもしなかった。特にヨーロッパの若者
の熱狂振りは異常である。彼らが好きなのは新しい日本の文化であり、伝統的な日本はまったく眼中にないのだ。 アメリカ発の株価の暴落と円高で、日本経済も多大な影響を受けてしまった。特にアメリカの不景気風は深刻で、あらゆる商品が売れなくなって
しまったらしい。ローンで借金してでも買い物をする米国人が、節約を始めたのである。 不景気になるともろに影響を受けるのがアパレル業界である。収入が目減りすると、誰もが衣服を買い控えることになり、服が売れなくなってしま
う。実際に米国では、閉店に追い込まれた衣料品店が急増しているらしい。 景気とファッションとの過去の関係を振り返ってみると、けっこう面白い。日本が経済成長を始めた60年代から70年代。好景気だった80年代の
バブル期。バブルがはじけた90年代。そして不景気の長いトンネルをなんとか抜け出した2000年以降。そうした時代背景の移り変わりによって ファッションも変貌した。 景気の影響を受けてファッションが変わるというよりも、人間そのものが変化してしまうのかもしれない。同じ人間でも、貯金がたくさんある場合
と、借金だらけの場合とでは、まったく別人になってしまう。金回りが良ければ派手になるし、財布の中がさみしくなれば地味なファッションになって しまう。 そうした因果関係の典型的なケースは、バブル崩壊寸前のボディコンだった。好景気と言う名のお祭り騒ぎの終焉と重なったボディコンファッショ
ンのブームは、未だに記憶に新しい。ジュリアナ東京のディスコで、ボディコンギャルたちが腰をくねらせて踊り狂っていた。ジュリ扇を振り回すギャ ルもいれば、天狗のお面をかぶったギャルもいた。まさに 好景気と言う名の祭りの終わりを象徴する社会的現象であり、ファッションであった。
デザイナー・トムブラウンの成功によって、一気にNYファッションが活気づいた。そしてアメトラが世界的なムーブメントとなった。長い間、ヨーロピ
アンが主流だったメンズ・ファッション界に、やっとのことでアメトラブームが到来したのだ。現在のNYでは、トムに続く新しいデザイナーが次々と出 現している。そうした実力を備えた若手の台頭によって、アメトラ人気が本格的にブレークし始めた。 トムのデザインの原点は「50年代後半のアメリカ」だそうだ。日本でもアメリカン・トラッド、オーセンティック・アイビーと言う名で定着した。「ラル
フ・ローレン」「ポロ」といったブランドがブームの中心にあった。ここ数年のプレッピー・ブーム人気は、二つのブランドの影響力が大きい。このブラン ドなしに現在のアメトラは語れない。 着心地がいいだけの西海岸発のアメカジに飽き飽きしているニューヨーカーたち。そうしたニーズに後押しされて出現したのが、トムブラウンだっ
たのだ。過激なまでに体にフィットするジャケットや裾の短いスリムなズボン。それはスーツを普段着として着ていた50年代後半の男たちの服そ のものだった。それにヨーロピアンなものと今風なデザインを付け加えて新しいアメトラを完成させた。 そうしたアメトラの服が、次から次へと日本の市場にも出回り始めた。そんな中で特に注目しているのは、新しいタイプのポロシャツである。古い
タイプのポロシャツとは、まったく違ったシルエットとデザインのものが販売されている。ポロシャツと言えば堅苦しくて保守的なアイテムだったが、 新しいものには驚くほどの自由さと遊び心がある。どっちにしても、アメトラの復活は大歓迎。二三年前までは時代遅れだったスリッポンやデッキシ ューズやローファーの靴が、トレンドなアイテムに変わってくれたのだから。本当に捨てずに残しておいて良かったと思う。 先日、NHKの歌番組でロカビリー三人衆が出演していた。彼らが活躍していたのは50年代だった。彼らの若い時の写真を見て、当時のファッシ
ョンに魅せられてしまった。ヘアースタイルはリーゼント風で、50年代にアメリカで流行したロカビリー・ファッションを着ていた。最近の傾向として、 メンズのズボンがスリムになってズボン丈が短くなった。当時のマンボズボンとまったく同じである。オープンシャツやセミブーツも復活しつつある。 ロカビリー・スタイルが新たなトレンドになるんじゃないだろうか。あの桑田圭祐でさえ、ダーリングでロカビリー風の格好をしていた。 日本でアイビーが流行したのは60年代後半からである。50年代のロカビリーからアイビーに変わっていく途中に、中間のファッションが出現した。イ
メージはアイビーで、シルエットや細部はロカビリーとヨーロピアンが混じったスタイルである。若い人は知らないと思うが、太陽族で有名になった俳 優の石原裕次郎の若い時のファッションがそれである。細いネクタイや細い襟のジャケットなんだけれど、ヨーロピアン風のダブルになっている。ア イビーもロカビリーもシングルのジャケットだけである。中途半端で変なファッションだと思った。 まだ本格的なマンボズボンは流行していないが、復活しそうな気配がある。日本でグルーブサウンズがブレークした時は、マンボズボンにミリタリ
ージャケットにセミブーツがユニホームみたいになった。トヨタのCMに出てくる携帯電話を持った外人は、ほとんどマンボに近いズボンだ。西洋人 は足が長いので、マンボが良く似合う。 「アイビー」は、アメリカのアイビーリーグ(ハーバード、イエール、プリンストン、ペンシルバニア、ブラウン、ダートマス、コロンビア、コーネル)の8
大学のカレッジ生活から生まれたファッションのこと。日本ではVANというブランドが若者たちにアイビースタイルを広め、60年代に大流行した。ア イビースタイルには多くのルールがあり、ある意味では保守的で伝統的なファッション・スタイルだ。 それに比べてプレッピーは、アイビーの弟分的な存在で、どちらかと言えば高校生向けのスタイルだ。基本的にはアイビーと同じだけれど、高校
生が中心なだけに、アイビーより若々しく自由な感じのスタイルになる。カジュアルなアメカジとアイビーをプラスしたものと言える。シャツをパンツの 外に出したり、パンツの丈を短くしたり、裸足に靴を履いたり、とアイビーのルールを破って着崩したスタイルも含まれる。 もっとも大きな相違点があるとすれば、ブルージーンズをはくかはかないかの違いだろう。正統派の古いアイビースタイルでは、ジーンズをはかな
かった。それがルールの一つだったからだ。しかしプレッピースタイルでは、ブルー・ジーンズが主役のアイテムになっている。伝統的でトラディショ ナルなスタイルがアイビーで、それを少し気崩したのがプレッピーということになる。早い話が、アイビーは古くて、ブレッピーは新しいスタイルという ことだ。 アメトラ復活の影響で人気がブレークしているチノーズ。腰まわりがタイトで、股上が深く、シルエットが野暮ったいのだが、その野暮ったいカタチ
が今は逆にカッコいい。粗野なチノ生地の風合いも良くて、大ブレークしそうな感じがする。最近プレッピースタイルが流行しているけど、そのプレッ ピーといえばチノパンが基本アイテムの1つになるのだ。チノパンの正式名称は「チノーズ」。チノパンの原型は軍用パンツ、中国からの買い付けだ ったのでチノーズ(chinos=中国の)パンツと呼ばれた。それがチノパンと呼ばれるようになった。昔のアイビースタイルでは、くるぶしが露出するく らいのレングスが一般的だった。つまりパンツの丈が短かったのだ。そして細身のテーパードシルエットで、タイトめフィットだった。 先日、昔はいていたチノーズをタンスから取り出してみた。二度と着ることはないと思っていたのだが、アメトラ復活のお蔭で、トレンドなアイテム
になってしまったからだ。さっそくチノーズをはいて街に出てみた。古臭いはずのチノーズが、トレンドなオシャレ着に変身してくれるなんて。パンツ の丈の短さが、最高にカッコいいと思った。靴はもちろんデッキシューズ。本格的なアイビースタイルで最高の気分になって街を練り歩いた。 先日のテレビでアメリカのパパラッチの特集番組を見た。パパラッチというのは、主にハリウッドスターたちの日常生活を撮影するカメラマンのこと
だそうだ。日本でいえばフラッシュのような雑誌のスキャンダル写真を撮影するのである。トクダネ写真を撮影すれば、五千万円くらいの値がつくそ うである。ショッピングに出かけた時のセレブたちを待ち受けるのが、そうしたパパラッチの手口の一つだそうだ。 ハリウッドスター、ミュージシャン、スポーツ選手といったアメリカのセレブたちは、日本のセレブたちとはいろんな面でスケールが違う。はっきり言
って日本に本物のセレブは存在しない。収入が桁違いだし、何よりも世界の注目度が違う。 セレブたちの日常生活を撮影する目的の一つに、彼らのプライベートなファッションがある。映画やステージの衣装と違ったセレブたちのファッショ
ンに、全世界が注目しているからだ。そうした現象を利用しているアパレルメーカーもある。セレブたちに自社の服をプレゼントするのである。その 服を着たセレブたちの姿をパパラッチが撮影し、それが雑誌に載れば会社の宣伝になるからだ。その効果はテキメンで、たちどころにアパレル会 社は注目されることになる。本当に安上がりな宣伝方法だと思う。 日本の芸能人や有名人の普段着は、どちらかといえば派手じゃないと思う。特に俳優たちの場合、テレビ番組ではスタイリストがコーディネートし
た服を着ているが、普段着のセンスはあまり良くない。ハリウッドスターに比べれば月とスッポンだ。日本のタレントやスポーツ選手の普段着を撮 影しても、何の値打ちもないってことだ。
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